海外と日本で異なるNIPTの現状は?

コラム

まだお腹の中にいる赤ちゃんを調べる方法として、NIPTという検査が用意されています。まだまだ日本ではあまりおこなわれていませんが、海外ではたくさんおこなわれていることもある検査です。たくさん検査を実地しているのなら、メリットが大きいのではないかと考えてしまう方もいるでしょう。たしかに、メリットが大きいですが、そのメリットが日本でそのまま受けられるとは限りません。こちらでは、海外と日本のNIPTで異なるポイントを説明していくので、利用を考えているのなら是非とも読んでみてください。ほかの国の情報だけを鵜呑みにして医療機関を訪れると、ドクターと話が噛み合わない可能性があるので気をつけましょう。

日本で受けられる検査項目は決まっている

NIPTを受けたいと考えて、いろいろな情報をリサーチしているのなら、検査項目がたくさん用意されていると思っているかもしれません。たしかに、ターナー症候群なども調べられるようになっているため、いろいろなことを調べて欲しいと考えても当然です。しかし、検査項目が多いのは海外でのことで、日本ではかなり少ないと考えたほうがよいでしょう。日本にあるほとんどの医療機関が提供してくれるNIPTでは、3つの項目しか調べてくれないようになっているからです。つまり、3つ以上の項目を調べられると考えているのなら、海外の情報を読んでしまった可能性が高いので、知識を入れ直しておきましょう。日本で調べられるのは、まずは21番の染色体が1本多くなることにより起こる、21トリソミーです。ダウン症候群と呼ばれる日本でもメジャーな障がいなので、街中で見かけたことがある方も多いでしょう。そして、13番の染色体が3本になってしまう13トリソミーも、検査によって判明することができます。頭が小さくなってしまったり指が多くなってしまったりする先天異常を招き、パトー症候群とも呼ばれています。最後は18トリソミーで、18番目の染色体がほかと同じように1本多くなり、3本になってしまうことにより起こります。エドワーズ症候群と呼ばれていて、手指の重なりや先天性心疾患などを持って生まれてくることになります。海外ではいろいろと調べられるかもしれませんが、日本ではこの13・18・21トリソミーの3つしか受けられないところがほとんどなので、きちんと把握をしてから医療機関を訪れましょう。本当に3つしかやってもらえないのか不思議に思っているのなら、自身で調べてみることをおすすめします。NIPTに対応している医療機関の多くは、妊婦さんに宣伝をおこなうためホームページを開設しています。そこにある説明を読めば、13・18・21トリソミーしか受けられないことがハッキリとさせられるでしょう。いくつもの医療機関の公式ホームページを巡れば、本当に3つしか対応になっていないのが分かるはずです。

海外と日本ではNIPTの費用が異なる

これからNIPTを受けようと考えている方は、費用の面で心配しているかもしれません。たしかに、安い検査ではないため、費用を捻出するのが大変な状況にある方もいるでしょう。しかし、お腹の中の赤ちゃんの状態を知りたいのならば、受けないという選択肢はまったくない方もいるはずです。日本でNIPTを受ける場合の費用は、10万円から20万円と幅広い金額設定になっています。日本にある医療機関なのにそれぞれの費用が異なるのは、おかしいのではないかと感じる方もいるでしょう。基本的に行動範囲内の医療機関で検査してもらわなければいけないため、近くに20万円のところしかないのならがっかりしてしまうこともあるはずです。インターネットで調べれば、10万円のところも見つけられるので、なおさら恨めしい気持ちになるかもしれません。このようにそれぞれの医療機関で費用が異なるのは、保険を適応できない検査となっているからです。保険が適応できないということは、治療費が決まっていないため、各医療機関が自由に設定できるのです。したがって、10万円と格安の費用で提供してくれるところもあれば、15万円請求してくるところもあります。いろいろなサポートを用意していて、20万円を軽く超える設定をしている医療機関だってあります。そして、国が発行する保険証を使えるのなら、個人用も会社用も医療機関に提出すれば、安い治療や検査をしてもらえます。妊娠できる年齢でしょうから、ほとんどの方は保険が適応できるものならば、治療や検査は3割負担で大丈夫です。しかし、NIPTは自費治療に設定されているため、各医療施設が設定した全額をすべて負担をしなければいけません。これらの『自由に費用を設定できること』と『保険が使えないこと』が組み合わさって、高いと感じる金額になっているのです。海外の費用の設定は国によって異なりますが、保険が適応できる国もあり、日本円にして5万円以下で検査を受けられる場合もあります。しかも、保険が適応できない国でも、日本よりも安い金額を設定しているところもたくさんあります。どの国がどの程度の費用なのか、インターネットを使えれば調べられるので、興味があるのならチェックしてみましょう。ただし、安いからといって海外で受けるわけにはいきませんし、日本で保険が適応されるまで待つこともできないでしょうから、まったく調べないのも賢い選択です。なお、探してみれば国によっては日本よりも高いところもあるでしょうし、受けることすらできない国もあるはずです。そう考えれば、何度も受けるような検査ではないため、多少高くても日本の最高の医療の中でチェックしてもらえるのはよいことかもしれません。

日本は35歳未満では受けられないといわれている

海外ならば何歳の方でも望めば、検査を受けられるようになっていますが、日本は染色体異常にリスクがある方のみになっています。その『染色体異常にリスクがある方』が35歳以上なので、未満の方は受けられないといわれているのです。その状況に不満を持つかも知れませんが、認定施設や登録施設に限ったことになっています。つまり、未認定施設や未登録施設ならば、日本でも35歳未満で受けられると考えても大丈夫です。もちろん、医療施設としては登録されているので、医師免許もないドクターに診てもらうようなことはないので安心しましょう。ただし、ある程度の選定は必要となるため、通える範囲にある医療機関で評判のよいところを探すことをおすすめします。赤ちゃんのこれからに関わることなので、しっかりと選んで、納得できる検査をしてもらいましょう。

NIPTは検査項目や費用など、受ける国によって異なるため、日本のものとは大きくイメージが変わる場合があります。ただし、うらやましく思っても、日本に住んでいる限りどうしようもないので、ベストな医療機関を探して受けるようにしましょう。なお、どこの国でもNIPTを受ける場合のカウンセリングはしっかりとしているケースが多いです。お腹の中の子どもが障害を持って生まれてくる可能性を調べる検査なので、繊細な問題だと考えるのはどこの国でも同じです。検査の結果がでたとき、産むか産まないかの決断を迫られる状況になる場合もあるでしょう。カウンセリングがしっかりとしていれば、そのような困難な決断をしなければいけないときも心の支えになってくれます。どこの国に住んでいたとしても、子どもを産む母親が大変なことには変わりないので、カウンセリングをきちんと活用して納得できる未来を目指すようにしましょう。