出生前診断の検査の流れを知ろう

コラム

お腹の中の赤ちゃんが五体満足に健康な状態で生まれて来るかどうかは、誰もが心配なことの1つでしょう。特に高齢出産の人は、染色体異常なども不安要素になると思います。出生前診断の1つであるNIPTは、21番染色体異常のダウン症と13番トリソミーと18番トリソミーなどについて、赤ちゃんが生まれてくる前にその可能性あるかどうかを調べることができます。

一口に出生前診断と言ってもいろいろな方法があります

出生前診断には、新型出生前診断と呼ばれているNIPTと、羊水や絨毛を採取して調べる方法、そして母体血清マーカ検査(クアトロ)があります。 NIPTでは、ダウン症と13番トリソミーと18番トリソミーの可能性が分かりますが、精度はかなり高いながらも異常を確定できる検査ではありません。一方で筋ジストロフィーなどの遺伝的疾患を調べるには、羊水や絨毛を採取して調べることもあります。しかし、絨毛を採取する方法は、過去の経験では約1%で(100人に1人)流産が見られます。流産の原因と言うのはよく分かっていないので、検査自体が危険だというのではなく、それでなくても流産しやすい時期だということもあげられます。自然流産とは大差がないので、この絨毛を採取したことが流産に影響したとは言い切れません。このように、それぞれの方法の違いを認識したうえで、出生前診断を受けるかどうかを考えることが重要です。出生前診断の流れの第一歩は、これがどのようなものなのか、それぞれのメリットやデメリットやリスクなどを知ることから始まると言っても良いでしょう。

最初は遺伝カウンセリングから始まります。

出生前診断ができる医療機関は限られています。日本産婦人科学会が認定している施設は現時点では日本には90か所程ありますが、東京都内に多くの施設が集中していることを考えると地方では自分の住んでいる県内に1つか2つあるかどうかという数になります。一方でNIPT検査を扱う認可外の施設が近年増加しています。NIPT検査は大がかりな器具を必要とせず、採血で検査ができるので、全国の産婦人科と提携して受検できる場所が広がりつつあります。検査を受ける前に、まずはカウンセリングを行います。その際、できれば夫婦そろってカウンセリングを受けることをお勧めします。このカウンセリングで、どのような方法なのかといった事やメリットやデメリットやリスクに関する説明があります。費用のことも、詳しく聞いておきましょう。費用は医療機関によって異なりますが、健康保険が適用されないので高額です。目安ですが、初診料が5500円で再診料が3800円程度、NITPがおよそ20万円、羊水検査が約13万6000円から19万円弱といったところです。カウンセリングで、最適だと思われる方法を選択してください。もちろん、説明を聞いて「やっぱり検査は受けません」という選択肢を選んでも、かまいません。

NIPTを選んだ場合の流れについて

多くの人は、採血だけで済む新型出生前診断と呼ばれているNIPTを選びます。この方法の場合、調べることができるのは、ダウン症と13番トリソミーと18番トリソミーの3つの疾患のみです。NTPTは妊娠10~15週の間に行うことが多いので、予約をします。予約した日時に来院して、採血室で採血をして帰宅するというパターンが大半です。検査結果は、残念ながらすぐには出ません。結果を聞きに来る日を相談のうえで予約してください。検査結果が出るまでの期間は施設によって異なりますので事前に確認しておくと良いでしょう。 結果が陰性であれば、上記の3つの疾患が発症することはまずないと言ってよいです。陰性の場合は99.9%無いと言われています。陽性であった場合は、絨毛を採取して調べるか羊水検査を受けるかを相談します。分からないことや不安なことがあればカウンセラーに質問して、納得してから、その後どうするかを決めてください。もしもNIPTで陽性と出たとしても、これが最終診断ではありません。 NIPTで陽性でも羊水を採取して調べた結果は異常はなくて、元気な赤ちゃんを出産したケースもあります。早まった結論を出さないためにも、カウンセリングで納得いくまで相談してください。結果を聞きに来るときも、できるだけ夫婦で来院されることをお勧めします。

羊水検査を受けることになった場合の流れ

羊水検査を最初から受ける人もいますが、多くの場合はNIPTで異常が有った場合や、超音波(エコー)で異常が見られた場合です。胎児は羊水に包まれて発育するので、羊水の中には胎児の細胞が含まれています。その羊水を採取して調べることで、胎児の染色体や遺伝子がわかります。妊娠16~17週くらいに行うことが多いです。染色体異常のみではなく、特定の遺伝子疾患の有無を調べることも可能です。染色体数の異常から、ダウン症や18番トリソミーや13番トリソミー以外にも、ターナー症候群やクラインフェルター症候群、開放性神経管奇形(開放性二分脊椎症や無脳症)が判ります。流れとしては、エコーで胎児の様子を確認して妊婦さんのお腹を消毒します。おへその下あたりに針を刺しますが、採血よりも痛くなかったという声が多いです。 針を刺す時間は15~20秒ほどです。 針を抜いたら絆創膏を貼って、再度エコーで胎児を確認します。 約30分ほどベッド上で安静にして、もう一度エコーで確認して異常がなければ会計を済ませて帰宅してください。 帰宅後抗生物質と子宮の収縮を抑えるお薬が3日分処方されるので、忘れないように飲みましょう。採取した羊水を2週間ほど培養してその後に染色するので、結果は3~4週間後になります。

絨毛を調べることになった場合の流れ

絨毛と言うのは、妊娠早期の胎盤の一部のことです。これを採取して胎児の染色体異常や遺伝子疾患を診断します。過去の経験からは、100人に1人の割合で流産が見られます。羊水を採取した際の流産の確率が0.3%なので、それよりもリスクが高いということは頭の隅に置いておいた方が良いでしょう。 また、流産には至らなくても破水や腹痛や出血などが起きることが、少数ですがあります。 そして、羊水を採取するよりも技術的には難しくなります。 お腹に針を挿入して採取する方法と、膣から採取する方法があります。 膣からの場合は、1~2日少量の出血が続くことがあります。 お腹からの場合は、暫く腹痛や下腹部の違和感が続くことがあるので、これも事前に説明があるはずですが、心得ておきたい事です。

全ての結果が出たら、必ず周りの人と相談して決めましょう

NIPTが陽性で羊水や絨毛を採取して調べた場合や、最初から羊水や絨毛を採取して調べた場合の最終的な結果が出てからの対応は自分一人だけで考えず 、必ずカウンセラーや検査機関の担当者、夫婦、両親などと相談して決めましょう。あせって結論を出すことはせず、客観的な意見も聞きながら慎重に後悔のないように進めていくことを心がけてください。